多文化共生センター大阪 活動報告
2016年度 朝日こどもの貧困助成
外国人の若年者のライフヒストリー調査
〜貧困の連鎖を防ぐために〜
本事業では、外国人住民たちのライフヒストリー調査を行い、彼らの実態を把握することに努めました。調査を通し、家族内のサポートや外部からの支援の有無によってその後の進路選択に大きな違いがあるということがわかりました。このWEBページでは3人のライフヒストリーを紹介します。
(本事業の詳しい調査結果については「報告書」をダウンロードください。)
Eさんは13歳のときに母、弟たちの4人で来日。幼い兄弟を支えるため、シングルマザーの母と共に13歳から組み立て工場で働いた。同年代の子たちが学校に行っているのを見て、なんで私だけ…と思うこともあったが、働くしか選択肢がないと思っていた。忙しい毎日のなかでも、Eさんは日本語を勉強したいという思いを強く持ち続けた。そんな中、個人で日本語を教えている教室に出会うことができた。その教室との出会いは自分にとってターニングポイントになった。約4年間日本語の勉強を続け、日本語検定2級に合格することができた。現在、Eさんは小学生の子どもが2人おり、保護者会や地域活動にも積極的に参加している。先生との出会いがなければ、今の自分はない、日本語がわからないままだったかもしれないと話す。
Lさんは9歳の時に来日。学校では日本語の教科書を渡されただけで、9歳の自分が一人で勉強するにはとても難しいものだった。中学生になって、ますます学校を休みがちになった。その後、夜間の高校にはなんとか入ったものの、日本語が難しく、周りにも馴染めず、一ヶ月で中退した。15歳からいろいろな職場を転々として暮らし始めた。その後、結婚し、子どもができた。子どもがNPOの学習支援教室に通い、日本語や学校の勉強を頑張っている姿をみたことで、自分も頑張ろうとやる気がでた。今は運転免許証を取ることが目標である。そして、子どもたちがより良い人生を選ぶことができるように子育てにも積極的に関わっていきたいと思っている。
Lさんは9歳の時に来日。学校では日本語の教科書を渡されただけで、9歳の自分が一人で勉強するにはとても難しいものだった。中学生になって、ますます学校を休みがちになった。その後、夜間の高校にはなんとか入ったものの、日本語が難しく、周りにも馴染めず、一ヶ月で中退した。15歳からいろいろな職場を転々として暮らし始めた。その後、結婚し、子どもができた。子どもがNPOの学習支援教室に通い、日本語や学校の勉強を頑張っている姿をみたことで、自分も頑張ろうとやる気がでた。今は運転免許証を取ることが目標である。そして、子どもたちがより良い人生を選ぶことができるように子育てにも積極的に関わっていきたいと思っている。
フィリピン出身のFさんは9歳の時、来日。学校の日本語教室に通い、日本語の習得に励んだ。Fさんは小学生の時にバスケットボールと出会ったことで人生が変わったと振り返る。バスケットボールを通して、たくさんの友だちができ、日本語を覚えられた。また、言葉だけでなく、先輩後輩関係など態度面や物の考え方なども多く学んだ。中学3年生の時、初めて自分の進路を選択しなければならない時になり、壁に当たったと振り返る。家の状況を考えると、中学校を出たら働いたほうがいいのではないかと考えた時期もあったが、母は反対した。「日本で生きていくのであれば、最低でも高校は行きなさい。」と、背中を押してくれた。高校の授業はとても難しく、心が折れそうなことが何度もあったが、先生はマンツーマンで、真剣に自分に向きあってくれた。留年することなく卒業できた。
Fさんは9歳の時、来日。学校の日本語教室に通い、日本語の習得に励んだ。Fさんは小学生の時にバスケットボールと出会ったことで人生が変わったと振り返る。バスケットボールを通して、たくさんの友だちができ、日本語を覚えられた。また、言葉だけでなく、先輩後輩関係など態度面や物の考え方なども多く学んだ。中学3年生の時、初めて自分の進路を選択しなければならない時になり、壁に当たったと振り返る。家の状況を考えると、中学校を出たら働いたほうがいいのではないかと考えた時期もあったが、母は反対した。「日本で生きていくのであれば、最低でも高校は行きなさい。」と、背中を押してくれた。高校の授業はとても難しく、心が折れそうなことが何度もあったが、先生はマンツーマンで、真剣に自分に向きあってくれた。留年することなく卒業できた。
様々なライフヒストリーを通して、家族、学校、地域の教室などの支援が人生のターニングポイントになっていることがわかりました。しかしながら、日本に住んでいる外国人住民や子どもたちが全員このような支援を受けているわけではありません。本調査がより多くの外国人住民・外国にルーツをもつ子どもたちの支援につながりますように。ぜひ報告書をご一読ください。
朝日報告書 ダウンロード